ご挨拶
会長 久田 剛志
群馬大学大学院保健学研究科/群馬大学呼吸器・アレルギー内科
このたび、第57回日本環境アレルギー学会総会・学術大会を担当させていただくこととなりました。これまで、七条小次郎先生、小林節雄先生、笛木隆三先生、中澤次夫先生、土橋邦生先生、石塚全先生(福井大学)が、群馬大学および群馬大学同門から、本学会会長の役割を務めてこられましたが、今回の私が7人目として大役を担うこととなります。歴史と伝統ある本学術大会の会長を拝命し、大変光栄に存じます。会員の皆様ならびに関係各位のご支援に深く感謝申し上げます。
本学会は、1970年に、本学第一内科初代教授である七条小次郎先生を会長とする職業アレルギー研究会として発足しました。その後、日本職業アレルギー学会、日本職業・環境アレルギー学会を経て、2024年より日本環境アレルギー学会として新たな歩みを開始いたしました。職業性アレルギー疾患の解明と予防に大きく貢献してきた本学会は、時代の変化とともに、気候変動、大気汚染、住環境の変容、生活様式の多様化など、より広範な環境因子とアレルギー疾患との関連を探究する学会へと発展しております。
近年、環境因子はますます複雑化し、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーをはじめとする多様な疾患の発症・増悪に深く関与していることが明らかになっています。さらに、呼吸器領域においては、慢性気道疾患や肺の健康維持に対する環境制御の重要性が再認識されつつあります。環境とアレルギーの問題は、単一の診療科のみで解決できるものではなく、内科、小児科、耳鼻咽喉科、皮膚科、基礎医学、公衆衛生学など、多分野の連携が不可欠です。そこで本大会のテーマを、
環境アレルギー学の新展開
― 環境とアレルギーのクロストーク、医学と産業の共創 ―
といたしました。本テーマには、環境因子とアレルギー疾患との相互作用を、臓器横断的・学際的に捉え直すとともに、その成果を社会実装へつなげたいという思いを込めました。従来の医学・研究者中心の議論に加え、今後は建築、空調、自動車、食品、環境モニタリング、デジタルヘルスなど、多様な産業界との協働が極めて重要になると考えております。
本大会の会場は、一橋講堂です。「橋」の名を冠するこの地から、環境とアレルギー、基礎と臨床、アカデミアと産業界、さらには研究成果と社会実装を結ぶ、新たな橋を架けたいと願っております。異なる分野の知が交わり、対話と連携を通じて新たな価値が生まれる、そのような学術大会となることを目指しております。
本大会が、環境アレルギー学の未来像を議論する場となることを願っております。環境を「理解する学問」から、環境を「変える学問」へ――その第一歩となる学術大会を目指します。また、本学会の特色である、診療科の垣根を越えた自由闊達な議論と温かな交流の精神を大切にし、若手研究者・医療者の皆様にとっても、新たな出会いと挑戦の機会となる場を提供したいと考えております。
一橋講堂という象徴的な場から、多様な領域を結び、未来へ橋を架ける学術大会となることを願い、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

